子育て中の母親の孤独感を解消したい

子連れにいい場所をMAP上で発見でき、ユーザーが発見した情報のシェアもできるおでかけマップアプリ「iiba」を手掛けるペアレントテックスタートアップの株式会社iiba。CEOの逢澤奈菜が語る創業までのStory

Antler Japan

November 15, 2023
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"子連れにiiba"がマップ上で見つけることができる子育てマップアプリ「iiba」

株式会社iiba CEOの逢澤奈菜さんは2児の母親だ。育児をしながら株式会社iibaのCEOとして、子連れに”いい場所”見つかる知らせるマップアプリ「iiba」の開発を行っている。iibaを利用すれば総フォロワー50万人超えの「おでかけママインフルエンサー」たちが選んだ2000箇所以上の"子連れにiiba"がマップ上で見つけることができる。2023年10月10日にiOSアプリを先行リリースして間も無く1万DLを突破するなど注目を集め、Androidアプリもリリースした。現在3,000近くのスポット情報を掲載しており、年内までに10,000件のスポット登録を目指している。

“子連れで外出できる場所を探すのはとても大変”
“ネットやSNSで検索しても、自宅から遠かったり、子供の対象年齢があっていなかったりと、自分に合った場所の情報になかなかたどりつけない”

同社が行った調査では、子育てをする母親の85%以上が、外出先の情報収集に30分以上かけていると言う。そのうち、2~3時間かかるという人も約30%にものぼった。こうした課題感を解決するために開発されたのが「iiba」だ。アプリ画面は地図がベースになっており、授乳室やベビールームといった乳児向けスペースの有無や、子供がどんな風に遊べるのか、子供にとって何がいいのかといった情報を収集している。

「例えば「電車が見られるスポット」(=いわゆる”子鉄スポット”)のような情報は、検索しても載っていない場合が多いんです。子育て世帯にとっての痒い所に手が届く情報はとにかく『口コミ』が大切。実際に行ったことがあり、いい場所を知ってる人たちみんなでマップを作り上げていく、そんな世界観を作りたいです。子育てに関する知識や経験が評価される機会って、ほとんどないんですよね。iibaでの情報共有を通じて、子育て世帯をエンパワーメントする仕組みを作りたいと思っています。」

生死の境で見た「母親になる」という夢と現実


逢澤さんの事業の原点は、20歳の時に起きたある体験だ。

「生死を彷徨った経験があるんです。特定疾患の難病になって、集中治療室に入りました。人工呼吸器をつけて寝たきりだった私を元気付けようとした看護師さんから、『病気を克服したら何になりたい?』と声をかけられました。自分なりに一生懸命考えた結果、その時はじめて『いつか母親になりたい』と思いました。」

治療とリハビリを終え、同世代よりも早く結婚・出産したという逢澤さん。しかし、結婚を機に上京して待ち受けていたのは思わぬ「孤独」だった。

「土地勘がない場所で、外出したくても子供連れで行ける場所がわからない。社会との接点が減り、家の中でずっと子供の泣き声を聞いているとだんだんと気分が落ち込んでくるんです。スタバのお姉さんにたまたま声をかけられる、そのくらいのことさえ当時は大きな救いでした。ママになったら幸せだろうな、って思っていたのに、どうしてこんなに苦しいんだろう…?と考えるようになったんです。」

子育て世帯の孤立は逢澤氏だけの問題ではなかった。当時は新型コロナウイルスの影響で外出機会が大幅に減少した。それにより「産後うつ」になる母親が約3倍増えたというデータもあるという。どうにかする方法はないかと夫に相談する中で出てきたのが、「起業してみてはどうか?」という言葉。独自の調査からも多くの子育て世帯が同じ悩みを抱えていることがわかり、iibaの開発に踏み切った。

「上京して自分自身が深く孤立に悩んだからこそ、『私が作るべき』という強い思いが生まれたのだと思います。」

人と比較せず、自分自身と向き合うことが成長につながる

そんな逢澤さんがAntler起業支援プログラムに参加したのは、共同創業者ー開発エンジニアを探すためだった。CEOの参加者が中心となる他のプログラムと違い、Antlerのプログラムにはエンジニアも多く集まる。退職・休職しなければ参加できないというルールも、「フルコミットできるエンジニア」を探していた逢澤さんにとって魅力的だった。ただ、実際のチーム作りは慎重に進めたと逢澤さんは振り返る。

「早い段階でメンバーを集めて動き出すチームが多い中、『ちゃんと想いを理解しあえる人と出会いたい』と考え、丁寧にコミュニケーションを繰り返しました。自分の想いや、情けないところも含めて全部さらけだしながらチームビルディングを行ったことで、素敵なメンバーと巡り会えたと思います。」

プログラムを通じてCEOとしての基礎体力を高められたとも言う。PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)などの財務諸表に苦手意識を持っていたが、メンターの支えもありしっかり取り組むことができた。

「財務諸表と向き合ったことで、『資金調達にはいくら必要なのか?』『キャッシュが尽きるタイミングがいつなのか?』といった視点から経営を考えることができるようになりました。また、『素敵なビジネスだけど、どうやってお金を稼ぐの?』という、投資家からは必ず聞かれる問いへの解決策も、メンターやプログラム参加者との壁打ちの中でブラッシュアップできたように思います。」

Antlerを通じて多くの成長を経験した逢澤さん。今後の展望について聞いた。

「プログラムに参加し、チーム作りやアイディアの実行および事業の展開方法の具現化する力を身に付けることができました。今後はAntlerのネットワークを活用しグローバル展開も視野に入れています。iibaプラットフォームを通じて、世界の子育てにイノベーションを起こしたいです。」

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